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商標登録出願の基本的な流れ

 商標登録を受ける際には、特許庁に対して商標登録出願を行います。今回は商標登録出願を行い、商標登録を受けるまでの基本的な流れを知っていただけたらと思います。

 まず、商標登録出願は、決められた形式の願書を準備して、その準備した願書を特許庁に対して提出します。願書には、登録を受けたい商標とその商標の用途を記載します。出願する商標が文字商標の場合は、「標準文字」の記載を願書にし、出願する商標がロゴマークの場合は、そのロゴマークを願書に貼り付けます。

 商標の用途は、商標法上指定商品又は指定役務といいます。指定商品又は指定役務は、登録を受けたい商標を使用している商品又は役務(サービス)を指すものであって、商標権の権利範囲を決めるものです。商標権は指定商品又は指定役務の範囲においてのみ効力が及ぶものですので、事業上カバーしておく必要がある範囲を決めておく必要があります。逆に、指定商品又は指定役務に誤りがあると、カバーする必要がある範囲に権利が及ばず、登録した商標を第三者が使用した場合に権利行使をすることができない場合があります。したがって、指定商品又は指定役務の選定は、商標登録出願にあたって最も重要なポイントといっても過言ではありません。なお、指定商品又は指定役務を決めた段階で権利範囲が決まるので、弁理士に依頼した場合は、先登録商標を調査し、先登録商標と権利範囲が抵触しないかどうかの調査をするのが一般的です。

 願書が完成したら、特許庁に対して願書を提出します。特許庁の審査官は、願書に記載された情報に基づいて審査を行います。審査では、出願された商標が一般的な登録適格性 (商標法第3条) を備えているか否かや商標法上規定された不登録事由(商標法第4条)に該当するか否かが判断されます。現状(2022年8月5日)だと、商標の審査には約9か月程度かかっているので、商標登録出願を行った後、9か月後くらいに審査結果が届きます。

 審査結果が登録査定の場合は、商標権の有効期間に応じた登録料を納付することで、商標登録が完了します。商標登録が完了すると、出願人には商標権が発生します。
 審査結果として拒絶理由が通知された場合は、審査官が主張する拒絶理由に対して反論の機会が与えられます。商標法や商標法審査基準に則って合理的に説明した反論をすれば、審査官の拒絶理由が覆る場合があります。反論をした場合、その反論の結果は約1~2か月できます。反論しても審査官の判断が覆らない場合は、拒絶査定となり、商標登録を受けることができないため、商標権は発生しません。