商品名(サービス名)は何を意識して決めたらいい?
商品(サービスも含む。)に対して名称をつけるネーミング。商品名(サービス名も含む。)は、その商品の運命を決めるといっても過言ではありません。本記事では商品名を決める際の基本中の基本についてお伝えしていきます。
ネーミングにおいて最も重要なことは、店舗やインターネットで商品を購入する消費者が、商品を選ぶ時の手掛かりになる名称、すなわち、商標を選ぶことです。
手掛かりとは
みなさんは、スーパーで同じ商品群の中からお好きな商品を選択する際に何を目印にしていますか?
たとえば、ビールという商品群の中にも色々ありますよね。1番搾り、アサヒスーパードライ等の様々な名前の付いた商品があります。当たり前ではあるのですが、みなさんがビールを購入する際には、缶に記載された名称(ロゴ)をみて、自分が購入したいと思うビールを購入すると思います。
つまり、ビールという商品群の中で自分の好みのビールが買えるのは、商品自体に「一番搾り」や「アサヒスーパードライ」等の目印となるネーミングがなされているからです。このように、商品名は、様々な商品がある中で各商品を識別するための目印として機能することで、消費者が商品を選択するときの手掛かりになります。
目印として機能するネーミングとは
前述のとおり、アサヒスーパードライは、「アサヒスーパードライ」という商品名がつけられていることによってビールという商品群の中から選択することができます。
では、ビールという商品に対して、「美味いビール」という名称をつけた商品があった場合はどうでしょうか?友達から、「美味いビール」を買ってきてほしいと頼まれた場合に、様々なビールが存在する中で、頼まれたビールにたどり着けるでしょうか。
インターネットでビールを検索したときのことを想像してみてください。「美味いビール」という記載は、ビールを販売する事業者であれば多くの人が使いたい表示であって、商品ラベルやパッケージに記載されていることが多いと考えられます。そのため、「美味いビール」を買ってきてほしいと頼まれた場合に、どれが頼まれたビールなのか、一発で理解できない可能性があり、その商品にたどり着くのは困難だと思います。
このように、消費者が、「どれを買えばいいのだろう?」と迷ってしまう名称は、目印として機能するネーミングとはいえません。一方で、「アサヒスーパードライ」は、1つしかないので、頼まれた側も1発で理解し、購入することができるため、目印として機能しています。
このことから、ネーミングに対する目印としての機能は、商品自体や商品の特徴のみを単に表す名称には認められにくいといえます。
商品名を決めるときは、単に商品自体や商品の特徴のみを示す名称を使用するのではなく、消費者が、同じ商品群の中で自社の商品を1発で選択できるような目印になる名称にしましょう。お客様に継続して自社商品を購入して頂くためには、目印となる名称(商標)は必須であり、ネーミングの基本中の基本です。なお、商品名が、自分の商品と他人の商品とを識別するための目印になることは、商標の登録要件のうちの一つでもあります。 この点については、次の記事でご説明いたします。