意匠登録出願を考えるタイミングとは タイミングを誤ると無駄になることも・・・
意匠権とは登録意匠及びこれに類似する意匠を独占的に実施することのできる権利です。意匠権は出願した意匠が意匠登録されることで発生します。意匠とは、物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美観を起こさせるものをいいます。つまり、意匠は物品の外観デザインを指します。なお、令和2年の法改正からは、物品の記録・表示されていない画像や、建築物、内装についても意匠登録の対象となっています。
意匠登録に関しても、特許と同様に登録要件として新規性が要求されています。そのため、意匠登録出願を行った時点で世の中に対して非公開である必要があり、資料やインターネット等への公開行為には注意をする必要があります。特に最近の特許庁の審査では、Instagramを引用して新規性違反の拒絶理由を通知してくるケースが散見されるため、SNS等への投稿は控えた方がよいでしょう。
意匠権は、意匠登録された意匠と同一の意匠に対して権利が及ぶ他、意匠登録された意匠と類似する意匠に対しても権利が及びます。ただし、物品の外観である以上、その類似範囲の幅は狭いと考えられています。
製品開発過程で製品形状がある程度決まってきた段階であっても、意匠登録出願をするのはまだはやいです。製品の開発途中では、製品形状が継続して変化するものであり、焦って意匠登録出願をしてしまうと、製品形状が変化する度に意匠登録出願をする必要があります。なので、開発途中で行った意匠登録出願が無駄になってしまう場合があります。そのため、意匠登録出願は、製品開発の最終段階で行うのが最も効果的です。金型形状が決まった段階であれば形状の変更はないと思うので、この辺りの時期がベストです。