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特許庁の審査で拒絶されやすい商標とは

 商標は商品に対して使用するロゴマークや文字をいいます。商標は、特許庁に対して商標登録出願を行い、審査に合格することで登録をされます。商標登録に適さない商標は審査の不合格に関する通知をされます。

 商標法第3条第1項では商標が識別力を有していることを要求しており、この識別力がない商標は拒絶されてしまいます。識別力とは、同じ商品群の中で、他人の商品と自分の商品とを区別することができることをいいます。例えば、商品「洗剤」に対して、「ソープ」という商標は、商品「洗剤」自体を示すものですので、洗剤という商品群の中から、他の洗剤と区別することができません。他にも、商品「洗剤」に対して、「汚れ落とし」という商標を使用した場合、「汚れ落とし」という名称は、単に商品「洗剤」自体の特徴を示すにすぎないので、他の洗剤と区別することができません。すなわち、商品との関係で、単にその商品を示す名称や、その商品の特徴を示すに過ぎない名称は、同じ商品群の中で他の商品と区別することができません。

 このように、識別力を有しない商標は商標法第3条第1項によって拒絶されてしまいます。もっとも、識別力を有しない商標に関しては、商標登録に取り組むが否かにかかわらず、事業者を区別することができないため、そもそも商標として機能しておらず、商品やサービスに使用する意味はほとんどないものと思われます。そのため、商標法第3条第1項の要件をクリアできる商標は、商標としての価値を有する商標といえ、これを基準に商標を選択するのが好ましいです。

 特許庁の審査における識別力の有無の判断は時代によって変わります。なので、昔の基準であれば取得できた商標も今は取得することができないなんてこともあります。コロナがはじまって現在に至るまでは、かなり厳しい時代になっており、従来までの基準では認められていたものが取得できないパターンもかなり存在します。そのため、より一層商標の選択時に識別力を意識する必要があります。